日本とは異なる成績評価方法「日々の学習状況=定期試験」
成績評価は日々の学習状況が重視されます。放課後はスポーツや課外活動への参加が義務づけられています。
日本の中学、高校では中間・期末などの試験結果が成績評価において比較的大きな比重を占める傾向にあります。一方、アメリカやカナダでは、日々の学習状況も定期テストと同じくらいに重視されます。理解度を測るクイズ(小テスト)は毎日のように行われます。テストの前だけ一夜漬けで必死に勉強する、そんな方法では高い成績評価を得られません。学生は自らの能力を開発するために教育を受ける、従って日々の積み重ねが重要である。そうした考え方に基づいて成績評価が成されています。毎日各科目毎に宿題、課題、作文、論文、はたまた読書までを求められ、その結果で日々の学習状況が評価されます。
また、アメリカやカナダの学校は学生の自主性を強く求めます。積極的に授業に参加して、能動的に学業やスポーツ、課外活動などに励むことが大切です。私立学校は1クラスの人数が8~15人程度と少数である場合が多いので、先生の個々の学生に対する注目度は当然高くなります。
日本人留学生の鬼門、英語について
日本人留学生にとって鬼門となるのが英語による授業です。例え得意な科目であっても、授業は全て英語で行われるため、最初はかなり苦戦するかと思います。母国語でない英語の授業は想像以上に難しく、ひたすらの努力と忍耐力が求められます。留学生だから、英語に強くないから、などの理由で成績評価に手心を加えてくれる先生はいません。母国語で学ぶ現地の学生と同様に扱われます。英語力を向上させて能動的に学業に励み、できるだけ早くその環境に慣れることが肝要です。誰しも準備している以上のことはできません。だからこそ留学前の準備として、英語力の向上(特に文法と読解)に努めることが大切なのです。
成績は常に報告されます
学校によっては日々の学習状況とその評価を毎日開示します。中にはインターネット上で閲覧できる先進的なシステムを導入している学校もあり、学生や保護者の方は24時間いつでも学習状況や成績を確認することができます。
勉強についていけない時
学校の勉強についていけない時は、アドバイザー、各科目の担当教師、Dean Office(学部のオフイス)などへ遠慮なく相談してください。科目の継続を取り消す制度もあります。
アメリカ、カナダでは学期の途中、または学年が終了した時点で、特定科目の成績評価が著しく低い場合は1学年、ないしは2学年下の科目を進級後再びとらされる場合があります。特定科目の能力が進級した学年のレベルに達していないので、その科目だけ学年を下げて修得をする必要があると判断されるためです。
進級に影響はありませんが、好成績を修める努力が必要です。能力が不足しているのに難しい科目をとらせるのは学生に「気の毒」であり「惨めな思い」をさせたくないという教育的配慮が根底にあります。機会を得たと割り切って、前向きに再挑戦することが留学生活をエンジョイするコツです。
≪参考≫
アメリカ、カナダの学校では「A」「B」「C」「D」「F」の5段階成績評価が一般的です。「C」以上の成績であれば特に問題ありませんが、「D」「F」 は好ましくありません。単位を取得しなければいけない科目の中で授業内容に困難を感じる時は、その科目を1週間以内に取り消す「Withdraw」手続が 可能です。手続をした科目は学業成績評価表に反映されません。「D」「F」評価を受けると、進級や進級時の科目選択に悪影響が出ます。最悪の場合、退学を余儀なくされることもあるのでご注意ください。
Grading Scale
A=4, B=3, C=2, D=1, F=落第
(A+) 100~97 (A) 96~93 (A-) 92~90
(B+) 89~87 (B) 86~83 (B-) 82~80
(C+) 79~77 (C) 76~73 (C-) 72~70
(D+) 69~67 (D) 66~63 (D-) 62~60
※(F, E, I, N, U)60点以下の場合です。