求められるのは「文武両道」
入学後スポーツのみに専念する学生生活はありません。
日本と同じく、アメリカやカナダの高校もキャンパスに屋内外の体育施設や競技施設を整えていて、スポーツはとても盛んです。特に私立校の設備の充実ぶりは目を見張るものがあり、テニス、ラグビー、サッカー、陸上など各競技の専用フィールドを複数備えた学校も珍しくありません。体を動かした後はすぐに汗を流せるようにシャワー設備などを完備している学校もあり、まさに至れり尽くせりです。身体を動かすことが好きな人には堪らない魅力を感じる環境でしょう。
ここで1つ留意点があります。いわゆるスポーツ特待生についてです。アメリカやカナダにもスポーツ特待制度はありますが、日本のそれとはかなり趣が異なります。一言で特徴を表すなら「文武両道」という言葉がぴったりです。学生である以上必ず一定以上の学業成績・成果を求められますし、地域コミュニティでの奉仕活動への参加も当然のごとく求められます。入学後スポーツのみに専念する学生生活はあり得ません。学業成績が悪ければ試合どころか練習すらさせてもらえなくなります。スポーツ以外の能力もしっかりと開発することで、人としての幅を広げて、どんな世界でも通用する懐の深い人材を育てるのです。
スポーツ大国アメリカでは、スポーツ“だけ”できる人はあまり評価されません。スポーツは色々な人々と交流を持ち、社会環境を正しく理解することで、体力面だけでなく精神面、ひいては人間的な成長を促す絶好の機会と考えられています。長い目で見れば、こうした教育のあり方は本当に学生のことを考えた「学生本位」であると言えるのではないでしょうか。
スポーツ施設に限らず劇場や音楽ホール、礼拝堂、コンベンションセンターなどの施設が充実しているのにはそんな意味があります。これらキャンパス内の施設は放課後、学生の課外活動で利用できるように開放されます。自分の趣味や特技、希望に合わせて、積極的に課外活動に参加して、自らの能力開発に努めることを是非おすすめします。