国立学校はありません
アメリカ、カナダには軍学校を除き国立の学校が存在しません。公立校は、日本の「都道府県」にあたる「States(アメリカ)」、「Province(カナダ)」毎に存在します。例えば、カナダには10の Province(州)と3 の Territory(準州)があり、州毎に DSB(District School Board)という日本の文部省に似た機関が設置されています。DSB は州内の学校を監督していて、各州ごとに教育制度は異なります。
一方、私立校はその地区の教育ガイドラインに沿って運営することを義務づけられていますが、基本的には独立した運営形態をとっています。学生(留学生含む)の募集などは各々の学校が裁量権を持ちます。
アメリカの義務教育
アメリカは Federal(連邦政府)、State(州政府)、Local(地方政府)に分かれており、これらの政府によって運営される学校は全てが公立となります。
一方、私立校は独立した教育機関ですが、基本的に各政府の教育制度に準拠します。教育制度は日本の 6-3-3 とは異なり、5-3-4、または 6-2-4 が一般的です。Middle school(7~8年生)の2年間が中学、Secondary school(9~12年生)の4年間が高等学校に相当します。Post Secondary school(大学)は4年、Graduate school(大学院)は2年(2年以上で Master of Science 及び Doctorate Degree)で日本と同じになります。
アメリカ、カナダでは学期の途中、または学年が終了した時点で特定科目の成績評価が著しく低い場合、進級後に1~2年若い学年の科目を再び学ぶ様に求められることがあります。特定科目の能力が進級した学年のレベルに達していないので、その科目だけ学年を戻って修得する必要があると判断されるためです。
進級に影響はありませんが、好成績を修める努力が必要です。能力に達していないのに難しい科目をとらせるのは学生に「気の毒」であり、「惨めな思い」をさせたくない――という教育的配慮が根底にあります。機会を得たと割り切って、前向きに再挑戦することが留学生活をエンジョイするコツです。
留学生の学費は少し高め?
アメリカ、カナダの公立高校は税金で運営されているので、授業料などの諸費用が一切かかりません。一方、私立は独立した教育機関なので、学生が納付する授業料や寄付のみで運営されています。そのため学費は学校によりは大きく異なります。留意点として留学生の学費は少し高めに設定されている場合があります。例えば、州が運営する大学の授業料は私立大学と比較して1/4~1/8と低く抑えられています。しかし、州外からの学生や留学生の授業料は、州内に居住する学生より80%以上高めに設定されています。そのため、学生の多くは州内の大学に入学する傾向があります。