英語が苦手でも留学できる?
中学生・高校生が留学をする時に、英語力が十分あるかどうかをはかる「ものさし」としてよく使われるのが TOEFL Junior です。この TOEFL Junior で650点以上とれれば、留学できるだけの英語力が「ある」と判断できます。
とくに中学2年~高校1年であれば、入学時にもとめられる英語力はそれほど高くありません。なぜなら、ボーディングスクールは英語だけでなく中学や高校の教科・科目を学ぶ場だからです。入学にあたっては、中学時代の国・数・理・社などの成績も注目されます。
留学すれば、授業はすべて英語です。聞く(Hearing)、話す(Speaking)、読解(Reading)、作文(Writing)と、徹底的にきたえられるので、授業にしっかりとついて行きさえすれば、おのずと英語力は身につき、「コトバのかべ」も乗りこえられます。
涙の数だけ英語はうまくなる
留学直後から、毎日ぶ厚い教科書や資料を何百ページも読み込む日々がはじまります。アメリカやカナダのボーディングスクールでは対話と議論を中心に授業をすすめるので、予習をしていなければとても付いていけません。眠い目をこすりながら辞書を片手に文字を追い、その内容を理解し、自分の考えをまとめて、翌日に先生や同級生の前で発表するのです。すると議論がわきおこり、多くの質問・疑問があびせかけられます。そこで皆が「なるほど」と納得する意見を論理的にのべなければなりません。
でも、留学したばかりで英語力はまだまだ未熟。当然、最初は的はずれな答えを返したり、緊張のあまり言葉がでてこなかったりして、たびたび恥をかくでしょう。睡眠時間を削ってまで必死に準備したのに、なんでこんな目に……。落ちこみ、涙することもしばしばです。
しかし何度も恥をかき、悔しい思いをすることで、だんだんとコトバは身につきます。十代なら失敗してあたりまえ。誰も気にしないので、くよくよ悩むことはありません。よく相手の意見を聞き、自分の考えを論理的にわかりやすく伝えましょう。英語によるコミュニケーション能力を身につけて「コトバのかべ」を乗りこえることで、本格的に高校科目の勉強をはじめることができます。
留学生を積極的に受けいれている学校は、経験から日本人留学生が英語による会話や聞き取りを苦手としていることを知っています。英語を母国語としない国からの留学生を対象とした英語コース ESL (English as a Second Language) や個別指導を用意しているので、なにも心配はいりません。
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留学してもアメリカ人のように英語ペラペラにはなれない!?
誤解を恐れずに言えば、日本人がアメリカ人のように英語を話せるようにはなりません。アメリカ人は生まれた時からずっと英語に接しているのですから、追いつけなくて当たり前です。
しかし、心配はご無用。留学をすれば朝から晩まで英語にかこまれた生活が待っています。しばらくは頭のなかで英語を日本語に訳す機能が働くので理解はワンテンポ遅れますが、だんだんと耳にした内容を英語のまま理解して判断できるようになります。このレベルになれば日常生活や学業、仕事で困ることはありません。アメリカ人のようなカッコイイ言い回しや表現はできなくても、しっかりとコミュニケーションがとれれば大丈夫。日本人として英語を使いこなせるようになれば、十分に世界の舞台でライバルたちと競いあうことができます。